可能性別より分けシステム
儲かってる証拠が、この見学の「グループ分け」に出ていた。受付の際、全員番号札を渡されるのだが「番号札30~35のお客様、それと15番、16番、それから57~61番のお客様、こちらへどうぞ」なんつって、完全に何かを基準に向こうの都合でより分けてる。集められたメンツを見て納得。私と編集さん(若い女性)が入れられたのは、比較的若くてあんまり財力のなさそうな、つまり参加する可能性が少なそうなグループ。他グループを見ると、妙に金持ちそうな老人が重点的に詰められているところもあり、「可能性別に効率よく」のシステムが確立されている感じ。
そんなハズレ組にも、担当説明者は分け隔てすることなく丁寧に対応(当たり前)。高低全クラスの客室に、レストラン、バー、ティーラウンジ、図書館、映画シアター、カジノ、プール、ジム、テニスコート、美容院、大浴場と、船内をくまなく見て回る。ま、どこも豪華なのは想定内。一番安い部屋も、十分普通のホテルレベルだったし。パブリックスペースは全てフカフカの絨毯が敷き詰められていて、ヒールでも全く脚に負担がかからない。途中フィリピン人の客室係が笑顔で「コニチワ」と挨拶してくる。意外だったのは、日本の法律が適用されるため、船内のカジノで金は賭けられないって点。身ぐるみ剥がされラバウルに置き去りって心配はない。安心っちゃ安心。あと、元NHKアナの松平定知や池上彰が船上で講演やってるらしい。小金稼いでるぞ。池上彰はともかく、松平定知に聞くべき話などあるのか。タクシー運転手の蹴り方でも教えてもらうのか。恐るべし、「有名人講演」の奥深さ。
-
通りかかる見学者のために、誰もいないラウンジで、ずーっとピアノを弾き続けていた白人青年。金髪・碧眼・メガネ、そして線の細さ。それらしさ完璧。時給いくらだろ。
-
パソコン室。「海上では繋がりませんけれども……」。意味などなくても、とりあえず見栄えがよいものは用意する。それが富裕層向けビジネス! それが飛鳥IIイズム!
-
デッキにあるプール。小さいがもちろん監視員は常時つく。ここのプールの監視員の仕事って楽そう。
-
低価格の部屋から順次見学。各部屋に「Kステート18.4㎡」と格付けと面積が必ず記載されている。これが一番安いとこの室内。ちょっと高級なビジネスホテルって感じ。「あら、これで十分じゃない」と皆さん口々に。