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  • [著者]今井舞
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アムウェイ・プラザ東京|イマイマイズム見聞録[第1回] 今井舞「新潮45」12年3月号



 一般社会の基準とは少しズレたところに「お楽しみ」を見つける、特殊な人々が集うサンクチュアリ。そんな同志が集結する「現場」におじゃまし、無防備な姿をルポする。それが本コーナーの趣旨である。ほんの束の間、読者の皆さまを別天地へと誘えたら幸いである。
 あと、始める前に、本コーナー名「イマイマイズム」が、私の発案ではない点もご理解頂ければなお幸いだ。連載開始前の打ち合わせの時点で、このタイトル名は既に決定していた。「新連載・イマイマイズム」は、既成事実として私に知らされたのである。
 さて、所信表明も済んだところで、第一回目のルポ先に選んだのは、渋谷の「アムウェイ・プラザ東京」。「同志が集結する現場」として最もふさわしく、解り易い物件としてチョイスさせてもらった。
 アムウェイ……。その名を聞いて浮かぶのは「最もメジャーな○○○講」のイメージだ。私は直接「アムウェイの人」に声を掛けられたことはないが、子供の時分から「あの人、いい人だと思ってたら、アムウェイだったのよ。この間突然誘われてビックリ」てな、声をひそめた大人の会話をちょくちょく耳にしたりして、幼心に「アムウェイ=怪しい」というシグナルは胸に刻んできた。
 なので「直接乗り込む」という今回の取材には、かなりのリスクを覚悟し、緊張しながら渋谷駅に降り立ったのである。駅から徒歩約十数分。NHKの真向かいに、ドカンとそびえる13階建ての本社ビル。地球儀みたいな立派なモニュメントがあり、社名を見なければ、国連ビルかと見まごうどてらいつくりだ。総ガラス張りの一階部分は、平日の昼下がりだというのに、結構な賑わいなのが見て取れる。魚心あれば水心。この世には「賑わうアムウェイ本社ビルの一階」を見て、心安らかになる人々がいる。たぶんそのためのガラス張り。しかし部外者にとっては、何とも心引き締まる光景である。
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