昔は「上司の新居に招かれる」なんてのが、サラリーマン生活のよくあるひとコマだったりしたもんだが。人間関係が希薄になった今、そんなこと部下に強いたら、ツイッターで何書かれるか。
せっかく家を建てたのに、自慢できる場もないのか。そんなお嘆きの貴兄にオススメなのが、住宅メーカー主催の見学会。実際に住んでる人のとこへ、これから家を建てようとしている人が見に行くというアレだ。
アカの他人、それも、何か欠点はないかと、ハナから粗探しする気満々の輩を、大勢自宅に招き入れる……。人見知り気質の私には、見当もつかない世界だ。「住まいの参観日~♪」とか謳う、このテののどかなCMを見るたび、実際どんな人間模様が繰り広げられているのか興味は深まる一方。てなわけで今回は「メーカー主催のお宅拝見」に潜入してみた。
移動はこの大きな観光バス。車内はゆったり。でも駐車場所が限られるので住宅街などではかなり歩かされた。贅沢なんだかショボいんだか。
当日行ってみれば、私以外にはひと家族しかおらず。赤ちゃんと小さな子供を連れた30代後半の夫婦。対して出迎えのメーカー社員は3人だ。米つきバッタのように迎えられ、丁重に案内されて、でっかい貸切バスに乗り込む。車内では、お茶、紅茶、コーヒー、ジュースなどから好きな飲み物が渡され、お土産(石鹸とタオル。王道!)の入った紙袋も渡され、至れり尽くせりの中出発。この後、新宿の展示場でほかの参加者を拾い、二つの家を観に行き、軽く説明会ののち、昼ごろ解散とのこと。朝の道は空いていて、説明を聞いているうちにもう新宿だ。ここで合流したのが、50代くらいの熟年夫婦一組と、子供二人連れの30代の夫婦、あとは70代くらいのおばあさん3人。このおばあさん達はそれぞれ個人参加であった。この歳で今から家建てるのかぁ。ま、「建て直し」なんだろうけど。それにしてもおばあさんの一人参加って、なんか切ない。そんな後発組にも飲み物が配られ、私にも「あ、おかわりどうぞ」って、腹タポタポになりながら、計7組で改めて出発~!