「創世記」には、人間の創造について書かれた部分が2カ所あります。ひとつは第1章。天地創造の6日目。動物たちの創造の後、人間の番がまわってきました。
ここでは、人間が神に似せて造られたこと、万物の長と位置づけられたこと、男女が同時につくられたことが確認できます。一方、第2章では、
と、男が土から造られるようすが記されています。第1章では女は男と同時に造られるのですが、別の機会にまたお話するように、まず最初に造られる生き物は男性だったのです。第1章と第2章の違いは、書き手が異なる伝承(祭司資料とヤハウェ資料)をもとにしたからというのが通説ですが、それ以外にも古い神話などが少しずつ入り込んでいて、後世のユダヤ教やキリスト教の教義とはそぐわない部分もありました。
神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう」。神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。(「創世記」第1章26節~27節)
ここでは、人間が神に似せて造られたこと、万物の長と位置づけられたこと、男女が同時につくられたことが確認できます。一方、第2章では、
主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。(「創世記」第2章7節)
と、男が土から造られるようすが記されています。第1章では女は男と同時に造られるのですが、別の機会にまたお話するように、まず最初に造られる生き物は男性だったのです。第1章と第2章の違いは、書き手が異なる伝承(祭司資料とヤハウェ資料)をもとにしたからというのが通説ですが、それ以外にも古い神話などが少しずつ入り込んでいて、後世のユダヤ教やキリスト教の教義とはそぐわない部分もありました。