【図7】 ウィリアム・ブレイク 「ヤコブの梯子」 創世記挿絵 1799-1806年 ペンとインク 水彩 大英博物館蔵
ルネサンス期以降の絵画では「梯子」ではなく、「階段」が主流になりました。階段ならば、天使の上り下りの表現もスムーズです。奇想の画家ウィリアム・ブレイクが友人のために制作した挿絵入り聖書の一葉【図7】では、星空のなか、梯子は螺旋階段となって遥か天上世界へとのぼっていきます。行き来しているのは、天使たちだけではないようす。階段の途中では再会を喜び、抱き合うふたりも見られます。