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  • [著者]今井舞
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東京スカイツリーオープン当日|イマイマイズム見聞録[第5回] 今井舞「新潮45」12年7月号

 地上340mへ降り立つと……

 もみくちゃにされているうちに12時を回ったので、いよいよ本丸、スカイツリー展望台へ。ソラマチ4階の中庭を通って行かねばならず、暴風雨と寒さで外歩きがツラい。見上げると、そびえるツリーは、頭部分がスッポリ雲の中に消えていて不気味な迫力。映画「ブレードランナー」みたいで、これはこれでいい気もするが、周囲ではため息続出。当たり前か。
 展望台エレベーター前の体育館ほどもある広間は、既に長い列がつづら折りに畳まれ人でビッシリ。列は「時間指定なし券」と「時間指定券」に分かれているのだが、人が多すぎて、どこがどの最後尾なのかよくわからない。更に、個人客と団体客がクロスし、カオス状態だ。私の持っていたチケットは「時間指定なし」で、係員に聞いて最後尾を探し、そこから1時間半並んで(!)、やっとエレベーターへ。

何も見えない、でも見ていたい。


見るべきものがなく、ただ周遊しているだけ。精気のないゾンビの群れのような人ゴミ
 金の鳳凰がクネるバブルな内装のエレベーターで一気に地上340mへ上昇。ガラスが一面に広がるそこへ降り立つと……真っ白。本当に、ロールスクリーン下ろしたみたいに、見えるとこすべて真っ白。ま、下から見た時、すっぽり雲の中に覆われてた所に来たんだから当たり前だが。あまりのことに、皆茫然としている。やることないので、すぐに上の展望台のチケット販売の列に並ぶ。またしても40分待ち(涙)で、追加で1000円払い、チケット購入。だがこのチケットが。最初の展望台のとほぼ同じデザインだわ、「天望デッキ」と「天望回廊」で、上下どっちかワケわからんわで、入口でどれ出したらいいのか混乱し、高齢者たちは軽くパニック状態。やっと上の展望台に着いてもまた景色真っ白だし。眺望を見ながら歩ける回廊も、ガラス張りで下が直接見える床も、とにかく何も見えず。でも皆立ち去り難いようで、真っ白な窓の前にずっと佇み、人だかりが。

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