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  • [著者]今井舞
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東京スカイツリーオープン当日|イマイマイズム見聞録[第5回] 今井舞「新潮45」12年7月号
 見ると店舗にはそれぞれもう行列が。少数派の若者層が、限定品を買おうと、目当ての店に並んでいたのであった。だがその限定品ってのが。「リボンの色が特別のディズニーの人形」とかなんである。ま、欲しい人が買うんだからいいけど。朝から並んでコレ買うのか。他の店でも「こちらスカイツリー店限定で~す」と店員が声を張ると、とりあえず人が群がる。それがスカイツリーの絵が描いてあるただの液体糊でも。「じゃあコレ10個ちょうだい」って、落ち着けって。
 フードコートも覗いたが、マヨネーズまみれの「東京スカイもんじゃ麺」とか、若向けメニューについて行けず、ここにもあぶれる中高年多数。かといって上階層のレストランフロアは、妙に気取った高級店ばかりだし。私もランチ難民となり、時間潰しに30階のフロアから外眺めてた。ここがまた大盛況。抽選に漏れ、展望台に入れない人で芋洗い状態。この高さでいいなら、新宿の住友ビルでいいだろ、という考えはない。何故なら今日はオープニング。景色も初物ですから。
 しかしソラマチは動線が悪い建物である。細長い敷地に、迷路のように店が並び、更に通路が斜めに伸びているので、まっすぐ歩いているつもりでも、いつの間にか元の場所に戻っていたりして、方向感覚がヘンになる。端を目指して進んでいても、突然中庭になったり、階段で分断されたりして、思ったところへ出られない。案内図も見づらいし。そのせいか、目的地に行けず迷う人が続出。またそれを見越して、尋常じゃない人数の案内役の係員が動員されている。スイーツ売り場付近にさしかかると、各店舗のレジに並ぶ人、限定品を買う為のまた別の列に並ぶ人、試食に群がる人、ショーケースに足を止める人、カメラを回す人、通り過ぎる通行人、迷って係員を呼びとめる人で、通路がもうそりゃ大変なことになっていた。

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