一の鳥居から三の鳥居は、満潮時に足元がすっかり水に覆われ、まるで浮かんでいるように見える。
「わたづみ」は海神(わたつみ)とも書き、海の神様の名前。つまりこの神社は、海神の家=龍宮城ということになる。御祭神は、海神の娘婿である彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)。天照大神(あまてらすおおみかみ)の曾孫で、山幸彦という別名のほうが有名だ。彼は、兄の海幸彦に命ぜられ海底に降り、海神の娘である豊玉姫命(とよたまひめのみこと)に見初められて結婚。この龍宮で3年を過ごした。
そう、ここは、神たちが出会った場であり、夢のような新婚時代をすごした甘い新居でもあるのだ。
対馬にはこのような重要な神話の地が多くあり、神々の気配が濃く残る。私がこの神社を訪ねたのは大潮の夜。海は凪ぎ、満月で白く光る水面に鳥居がすっと浮かんでいた。息をするのも憚られる神秘の一瞬。神を近くに感じ、静かにそして熱く手を合わせた。神様、幸せを少しだけ分けてくださいな。
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海から社殿を望む。山を背にひときわ神秘的な姿。
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神々の出会いを演出した伝説の井戸。今も水が湧いている。
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潮風にさらされた木造の社殿。独特の雰囲気をまとう。
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絵馬にも、海から社に続く五連の鳥居が描かれている。
和多都美神社(わたづみじんじゃ)
平安時代に記された延喜式にはすでに「和多都美神社」の名が登場している。それ以前の由来は資料がないので不明。海幸彦・山幸彦伝説発祥の場所といわれていて、神社のそばには、豊玉姫と山幸彦が出会うきっかけとなった井戸「玉の井」や、山幸彦が海神から譲り受けた魔法の玉「塩盈珠・塩乾珠」の岩などが残る。社殿の裏手を覆う原生林は、県指定の天然記念物になっている。
長崎県対馬市豊玉町仁位55
TEL:0920-58-1488
参拝自由
【祀られている神様は?】
彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)
豊玉姫命(とよたまひめのみこと)
【ご利益は?】
海上安全、大漁祈願、家内安全、縁結び
平安時代に記された延喜式にはすでに「和多都美神社」の名が登場している。それ以前の由来は資料がないので不明。海幸彦・山幸彦伝説発祥の場所といわれていて、神社のそばには、豊玉姫と山幸彦が出会うきっかけとなった井戸「玉の井」や、山幸彦が海神から譲り受けた魔法の玉「塩盈珠・塩乾珠」の岩などが残る。社殿の裏手を覆う原生林は、県指定の天然記念物になっている。
長崎県対馬市豊玉町仁位55
TEL:0920-58-1488
参拝自由
【祀られている神様は?】
彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)
豊玉姫命(とよたまひめのみこと)
【ご利益は?】
海上安全、大漁祈願、家内安全、縁結び