旅・街歩き

  • [写真]三谷浩、菅野健児[文]編集部[取材協力]鹿児島県薩摩川内市/奈良県ならの魅力創造課/宮崎県、財団法人みやざき観光コンベンション教会/島根県、神々の国しまね実行委員会
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自然の力、神様の力、次のパワースポットはここ!




2012年の島根は古事記一色になる

 高天原からの使者、タケミカヅチノ神とアメノトリフネノ神が降り立って、オオクニヌシノ命に国を譲るように迫ったのが稲佐の浜。オオクニヌシノ命は、国譲りの条件として、天に届くほどの高い神殿を建て、自らを祀って欲しいと求める。これが出雲大社の起源といわれる。平安時代の出雲大社の本殿は、高さが48メートルもあったという。本当に天へ向かうように見えたに違いない。
 古事記に登場する神話の中で、わくわくするようなおもしろさがあるのは出雲を舞台としたものが多い。有名なヤマタノオロチ伝説にも、出雲湯村温泉にほど近い斐伊川上流に、大蛇の住みかがあったとされている。そして来年、古事記編纂1300年を記念して、島根は大きな盛り上がりをみせることになる。7月21日から11月11日までの114日間に「神話博しまね」が開催されるのだ。



 メイン会場となるのは出雲大社の周辺。特設会場が設けられ、出雲に息づく神話の魅力を映像で表現。また迫力の石見神楽や隠岐の伝統芸能などが集結して公演が行われる予定だ。古代出雲歴史博物館で展示されている、平安時代の出雲大社本殿が10分の1のスケールで復元された模型(写真中央)もこの機会に見ておきたい。また、稲佐の浜から出雲大社までの道を、神話に思いを巡らせながら歩くガイドツアーも準備中。盛りだくさんのイベントは私たちを魅了してくれること間違いなしだ。
 神話博はこの周辺だけではない。雲南、石見、隠岐それぞれでも地域の魅力を活かした催事が計画されている。古事記一色となる来年の島根県にぜひ出かけたい。ところで、出雲に八百万の神様が集結する神在月はすでにお馴染みだが、この神話博は神在月の直前に終了する。この時期に入ると、神様の会合を邪魔しないよう、大声を出さずに静かに過ごさねばならないからだ。神の国に暮らす人々の敬虔な心がここにも宿っている。


隠岐 蓮華会舞

古代出雲歴史博物館

神話博しまね特設会場

稲佐の浜

斐伊川

石見神楽

八重垣神社 鏡の池

出雲大社 十九社
写真提供・島根県
神話博しまね
2012年7月21日~11月11日

古事記編纂1300年を記念し、出雲大社周辺のメイン会場と島根県各地で、さまざまな観点から神話の魅力を紹介するイベント。まずはこちらをチェック。

●しまね はじまり通り
shimane-hajimaru.jp
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