大自然から命のエネルギーを取り込みたい。
心洗われるような美しい神社に祈りを捧げ、
神様のご利益をいただきたい。
自然の力と神様の力。
いまこそパワーを得られる場所はどこ?
自然の力なら、鹿児島県の甑島列島へ。
見たことのない自然が残された日本の秘境。
神様の力なら、まず神話を学ぼう。
来年は古事記編纂1300年にあたる年。
神話に登場する全国のゆかりの地をたどれば、
なぜこの地だったのか、その理由が見えてくるはず。
鹿児島県の離島は驚きの連続
心洗われるような美しい神社に祈りを捧げ、
神様のご利益をいただきたい。
自然の力と神様の力。
いまこそパワーを得られる場所はどこ?
自然の力なら、鹿児島県の甑島列島へ。
見たことのない自然が残された日本の秘境。
神様の力なら、まず神話を学ぼう。
来年は古事記編纂1300年にあたる年。
神話に登場する全国のゆかりの地をたどれば、
なぜこの地だったのか、その理由が見えてくるはず。
鹿児島県の離島は驚きの連続
この島の存在を知っている人がどれだけいるだろうか。屋久島、種子島であれば全国的に名高い。同じ鹿児島県の島だというのに甑島は、おそらくこの字をすっと読める人も少ないのではないか。
甑島=こしきしま。上甑島、中甑島、下甑島の3つが連なる列島。甑とは、古代中国を発祥とする米などを蒸す土器で、上甑島にある串瀬戸の大岩がこの形に見えることから島名の由来になったと言われている。海に向かって怪獣の背のように突き出している岩壁の上には、たしかにその蒸篭の形と思える岩が見える。これは甑大明神として、古くから島民に崇められている。
鹿児島県本土より西へ約30キロ。船は上甑島の里港に到着した。海の先には薩摩半島が肉眼でも見えるほどの距離だ。けれど風景は本土とは一変する。車で走るとすぐにあたりは緑に包まれた。くねくねとした山道の間から青い海が広がったかと思うと、うっそうとした原生林によるひんやりとした影の道に入る。のどかな田園風景の島というよりは、手つかずの自然が残り、そのいたるところから野生のエネルギーが荒々しく発散されている場所だった。まるで島全体が呼吸をしているようだ。
甑大明神周辺のがさがさとした断崖のシルエットは圧巻だが、この驚きはまだほんの手はじめに過ぎなかったということがあとでわかる。
クルーズ船に乗り、下甑島にさしかかると、地層がむき出しになった岩壁が現われ始める。無造作に線を引いたようなストライプの壁。地層の古いものはなんと約8千万年前の白亜紀まで遡るのだそうだ。そして当然のごとく、恐竜や亀の化石も発見されているらしい。まさに太古の時がそのまま残されていた。さらに船が岸に近づくと、その高さにもふたたび驚く。高いところで200メートルはある断崖を見上げると太陽が眩しかった。いったいここはどこだったっけ、と呟いてしまう。
細胞もよみがえる気分
この島がすごいのは海岸線だけではない。内陸部にある「瀬尾の観音三滝」はまさに芸術と呼べるような景色だ。瀬尾川上流から三段になって流れ落ちる滝。ごうごうと。さわさわと。自然が奏でる音に魅了され、滝つぼを前にするとすぐには立ち去れなくなってしまう。味わったことのない心地よさが、ミクロの粒子となって身体にすっと浸透してきた。
これだけの自然に溢れた島だが、もちろん人々も暮らしている。上甑島と下甑島では方言や風習も微妙に違うというのも驚きだ。それぞれの集落が点在し、中には江戸時代の武家屋敷が残る通りもある。島の時間はゆっくりだ。道を歩くと挨拶が交わされ、旅人にも優しい笑顔が向けられる。
さて、この島民も実は誰もが知っているというわけではないのが「竪石」と呼ばれる不思議な巨石の存在。下甑島の青潮岳に沿った車道から森の中に入り、10分ほど歩くと突然それは現われる。高さは4.5メートル、石の周囲は7.5メートル。どう見ても人の手で運ばれたように思える楕円形の石だが、果たしてどうやって? いつ? 何の目的で?――実はまったくわかっていないのだという。地元ガイドの藏野量夫さんの話によると、誰か位の高い人の墓ではないか、島には神功皇后に纏わる伝説がいくつか残されているため、それと深く関わりがあるものかもしれない、ということだった。ただ、文字らしきものはどこにもなく、墓というのも仮説でしかない。
いずれにしても何か意味があるとしか思えない神秘の石。この島にはまだほかにも不思議がいっぱい詰まっている。
甑島=こしきしま。上甑島、中甑島、下甑島の3つが連なる列島。甑とは、古代中国を発祥とする米などを蒸す土器で、上甑島にある串瀬戸の大岩がこの形に見えることから島名の由来になったと言われている。海に向かって怪獣の背のように突き出している岩壁の上には、たしかにその蒸篭の形と思える岩が見える。これは甑大明神として、古くから島民に崇められている。
鹿児島県本土より西へ約30キロ。船は上甑島の里港に到着した。海の先には薩摩半島が肉眼でも見えるほどの距離だ。けれど風景は本土とは一変する。車で走るとすぐにあたりは緑に包まれた。くねくねとした山道の間から青い海が広がったかと思うと、うっそうとした原生林によるひんやりとした影の道に入る。のどかな田園風景の島というよりは、手つかずの自然が残り、そのいたるところから野生のエネルギーが荒々しく発散されている場所だった。まるで島全体が呼吸をしているようだ。
甑大明神周辺のがさがさとした断崖のシルエットは圧巻だが、この驚きはまだほんの手はじめに過ぎなかったということがあとでわかる。
クルーズ船に乗り、下甑島にさしかかると、地層がむき出しになった岩壁が現われ始める。無造作に線を引いたようなストライプの壁。地層の古いものはなんと約8千万年前の白亜紀まで遡るのだそうだ。そして当然のごとく、恐竜や亀の化石も発見されているらしい。まさに太古の時がそのまま残されていた。さらに船が岸に近づくと、その高さにもふたたび驚く。高いところで200メートルはある断崖を見上げると太陽が眩しかった。いったいここはどこだったっけ、と呟いてしまう。
細胞もよみがえる気分
この島がすごいのは海岸線だけではない。内陸部にある「瀬尾の観音三滝」はまさに芸術と呼べるような景色だ。瀬尾川上流から三段になって流れ落ちる滝。ごうごうと。さわさわと。自然が奏でる音に魅了され、滝つぼを前にするとすぐには立ち去れなくなってしまう。味わったことのない心地よさが、ミクロの粒子となって身体にすっと浸透してきた。
これだけの自然に溢れた島だが、もちろん人々も暮らしている。上甑島と下甑島では方言や風習も微妙に違うというのも驚きだ。それぞれの集落が点在し、中には江戸時代の武家屋敷が残る通りもある。島の時間はゆっくりだ。道を歩くと挨拶が交わされ、旅人にも優しい笑顔が向けられる。
さて、この島民も実は誰もが知っているというわけではないのが「竪石」と呼ばれる不思議な巨石の存在。下甑島の青潮岳に沿った車道から森の中に入り、10分ほど歩くと突然それは現われる。高さは4.5メートル、石の周囲は7.5メートル。どう見ても人の手で運ばれたように思える楕円形の石だが、果たしてどうやって? いつ? 何の目的で?――実はまったくわかっていないのだという。地元ガイドの藏野量夫さんの話によると、誰か位の高い人の墓ではないか、島には神功皇后に纏わる伝説がいくつか残されているため、それと深く関わりがあるものかもしれない、ということだった。ただ、文字らしきものはどこにもなく、墓というのも仮説でしかない。
いずれにしても何か意味があるとしか思えない神秘の石。この島にはまだほかにも不思議がいっぱい詰まっている。
アクセス
●鹿児島県本土、串木野新港から高速船で最短50分、フェリーで最短70分で各港へ。上甑島から下甑島へは船の移動のみ。一日3便。
●島内の移動:各島にはレンタカーもあるが台数が少ないので早めの予約を。レンタサイクルもある。詳しくは薩摩川内市観光協会甑島案内所へ。
鹿児島県薩摩川内市里町里1619-7
TEL:09969-6-3930
satsumasendai.gr.jp
●鹿児島県本土、串木野新港から高速船で最短50分、フェリーで最短70分で各港へ。上甑島から下甑島へは船の移動のみ。一日3便。
●島内の移動:各島にはレンタカーもあるが台数が少ないので早めの予約を。レンタサイクルもある。詳しくは薩摩川内市観光協会甑島案内所へ。
鹿児島県薩摩川内市里町里1619-7
TEL:09969-6-3930
satsumasendai.gr.jp