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義理堅き「吉永小百合さん」に沸いた「潮騒」の島|「週刊新潮」6月13日号
潮騒
三島由紀夫
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 それは、島始まって以来の人出だった――。

 6月2日、女優・吉永小百合(68)が映画『潮騒』(64年)ロケ地、三重県鳥羽市の離島・神島を49年ぶりに訪問。三島由紀夫の原作(新潮文庫)は累計約339万部の発行を数え、最近はNHK朝ドラ『あまちゃん』がその名場面を演出に取り入れて再注目された。そこに、サユリ様だ。

「人口約400人の島ですが、当日は本土と島をつなぐ船に臨時便も出し、他にも小船で集まった帰省客や観光客ら、約2000人で迎えました」(市観光課)

 島民何十年来の願いが届いた、来訪決定だという。

『潮騒』は三浦友和・山口百恵主演版もあり、計5度映画化されたが、

「10日間滞在した小百合さんが一番島に溶け込み、島民と交流してくれた。他の俳優さんのはないけど、小百合さんと撮った写真はみんな沢山持ってます。だからやっぱりまず来てほしいのは小百合さんだった」

 とは、島で民宿『山海荘』を営む山本晶子さん(60)。

「当時は民宿が少なく、うちには相手役の浜田光夫さんや男性スタッフが泊まり、小百合さんや海女役の女性たちは民家に泊まった。でも夜になるとうちに遊びに来て、大部屋で皆さんコックリさんとかのゲームやお話をしていました。小学校6年生だった私もゲームに混ぜてもらったんです」

 半世紀ぶりに帰島した大女優は、公園での歓迎会『潮騒の集い』と、島民200人との交流会に参加。

「小百合さんの方から『ロケの後に遊びましたね』と。当時の写真を贈ると、すごく喜んでくれました」(同)

 約4時間半の滞在で、

「優しさと気品が漲(みなぎ)り本当に美しかった。宝物のような一日になりました」(同)

 島民からのお礼は「鳥羽市で採れた真珠製品と、気持ち」(市観光課)だった。
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