4畳半大で6人
「北朝鮮の核実験や中国のPM2.5などの影響と思われる問い合わせが、10日間で122件ありました」
と語るのは日本の核シェルターの草分けである織部精機製作所(神戸市垂水区)の織部信子取締役。
7年前に賃貸用マンションの地下に核シェルターを建設した安藤建設(群馬県安中市)にも、同様の引き合いがあるそうで、
「日本では一昨年に原発事故が発生して、核シェルターの必要性が改めて認識されました。被曝の可能性があれば、一時的にシェルターに避難し、放射線量が下がったときに他のもっと安全な場所に移動すればいいのです」(安藤廣幸代表)
とはいえ、施工費用は約3000万円。現実に個人で自宅などの地下にシェルターを建設する人は希だ。
そこで注目されているのがイスラエル製の簡易テントシェルター。織部精機製作所は一昨年3月に取り扱いを始めた。
「震災による原発事故の直後に、イスラエルの会社と交渉し、予約を受け付けました。今年2月10日現在、販売実績は98台です」(織部取締役)
テントの大きさは4畳半の部屋ぐらいで、6人が収容可能。建物の中などに蚊帳を吊る要領で設置し、空気清浄機で有害なガスが入らないようにできる。機能は欧米の軍機関も検証済み。価格は82万4000円。
同社は放射能や毒ガス対応のスイス製空気清浄機なども販売しており、
「マンションの一室に取り付けられるタイプもよく売れています」(同)
核や隕石では、備えがあっても憂いは消えないけど。