矢来町ぐるりとは？

　ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太（27）がプロに転向する。
　これに対して日本アマチュアボクシング連盟は、なぜか“引退勧告”で応酬した。
「斯界の“ドン”、山根明連盟会長がご立腹なんです」
　と某ライターが解説する。
「国際ボクシング協会が設立予定のプロ団体から村田に参加の打診があった際、会長が“村田は引退するから”と断った。でも、結局村田は引退しないので、“俺の国際的信用を失墜させた”と激怒している」
　たしかに村田は、五輪後「これで一区切り」と事実上の引退宣言をしたが、2ヵ月後に「試合に出たい」と前言を撤回している。
「でも、選手の心情を忖度すべき連盟が大人げないですよ。村田は、人生設計が慎重で、良くも悪くも山っ気がない。五輪直後、協栄ジムが“1億円でスカウトする”と宣言した際も、現職の東洋大職員で居続ける方が生涯年収は高いと算盤を弾いて断りました」
　ではなぜこの期に及んでプロ転向するのか？
「フジテレビが数億円を用意して口説き落としたらしい。07年以来、世界戦を中継していませんが、他局のボクシング番組が好視聴率を挙げているため、本腰を入れることに。村田は今後、輪島功一らが所属した老舗で、フジと昵懇である三迫ジム入りする見込みです」
　世界王者の可能性は？
「アマは3Ｒで、プロは12Ｒ。スタミナをつけるには27歳からではちと遅いかも。打たれながらも前に行くファイトスタイルもヘッドギアなしでは厳しい。しかも、プロのミドル級は最も層が厚い階級です」
　ただ、好材料もある。
「今年から、既存のＷＢＡ、ＷＢＣに加えＩＢＦ、ＷＢＯの2団体が日本で認可される見込み。4団体のどこかには穴場が出てくるものなので、王者になる確率は倍以上になったといえる」
　さあ、算盤勘定は?