食・暮らし

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夫婦善哉|能登 ごはん便り 赤木明登+赤木智子
 夫婦で、生まれ育った場所が違うことも、よくあること。ウチの場合は、ダンナが岡山で、私は東京。お雑煮はというと、ダンナはなんと「蛤のすまし汁、水から煮てどろーんと柔らかくした丸餅。」

 私は、「鶏肉と里芋となるとと三葉の入った醤油味の汁、焼いた角餅。」

 こう書いただけでも、ケンカになりそうなくらいの違いである。お正月から揉めていても仕方がないので、出来る限り、大晦日に「蛤」を探して来ることにしている。そして、まずは元旦朝一番のお雑煮は、ダンナチームの「蛤のすまし汁」を作ることにしている。ところが、ここ数年、国産の蛤が(輪島では)手に入らない。「お正月から中国産の蛤じゃ、いやだよね。」と、どうにかダンナに我慢をしてもらっている。蛤は我慢してもらうので、鶏肉のすまし汁の中に、煮た丸餅をどろーんと入れて仕上げる。こうして、どうにか平和なお正月を迎えることができるのだった。

 元旦の夜には、またまた弟子たちが集まって、大騒ぎ。新年会恒例のまさかの雪中「相撲大会」も、やりましたよ。半裸の、本気の相撲です。フラフラになって、家の中に戻って来てから、お雑煮をみんなで食べました。その頃には、ダンナも酔いが回って良い調子。その隙に、私はさっさとお餅をこんがり焼いて、鶏肉の出汁をたくさん作り、自分好みのお雑煮をみんなに振る舞うのでした。

 こんなふうで、今年も「おいしいものをたくさん食べるぞー。」と、相変わらず食いしん坊な赤木家なのです。夫婦円満の秘訣は、もしかすると「美味しいものを一緒に食べること」かもしれません。
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