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アダムの死と十字架 「聖十字架伝説」|キリスト教美術をたのしむ 金沢百枝


「アダムの墓」 『カトリーヌ・ド・クレーヴの時祷書』 ユトレヒト 1440年頃 ピアポント・モルガン図書館蔵
「アダムの墓」 『カトリーヌ・ド・クレーヴの時祷書』 ユトレヒト 1440年頃 ピアポント・モルガン図書館蔵

 アベルが殺され、カインが追放された後、アダムとエバにはもうひとり男の子が生まれました。アダムが130歳のときの子で、名はセト。

「アダムは、セトが生まれた後八百年生きて、息子や娘をもうけた。アダムは九百三十年生き、そして死んだ」(「創世記」第5章4~5節)。

 アダムの最期について、聖書は多くを語りませんが、聖書偽典や外典の『アダムとエバの生涯』や『ニコデモの福音書』中の「聖十字架伝」に詳しい。この伝説は、4世紀以降、聖十字架(キリストが磔刑に処された十字架)への崇敬が高まるとともに流布し、じつにさまざまなバージョンがあります。

 病いに倒れたアダムは激しい頭痛に耐えかねて、息子のセトに、楽園で「憐れみの木からとれる生命の油」を貰って来るよう命じます。身を投げ出し、「自分の頭にちりをかぶって」お願いすれば、もしかしたら神様が哀れんでくださるかもというのです。

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