壱岐の北に位置する勝本町で、5月~7月の梅雨明けくらいまでが旬の“剣先イカ”の活きづくりをいただきます。
“活きづくり”は、生きたままの姿づくりなので、足はまだ元気にはねています。それにもまして、なにより素晴らしいのは、この身の透明感! さばく時に水を使いすぎるとこんなに透明にはならないのだとか。さすがはプロの腕です。このイカ、「壱岐剣」という名で、体長35cmを超すものは、ブランド品として出荷されている特別なイカなんです。
こちら、「割烹 一富士」さんでは、身をいただいた後は、天ぷらにするか、そのまま刺身にしていただけます。どちらもイカの各部所(足、軟骨、エンペラなど)を混ぜて調理されています。写真はお刺身です。軟骨のコリコリ感と、足のプチプチ感に、どこかの部所のモチモチ感がミックスされて、あっという間に食べてしまうには、もったいない一品。ここはゆっくり、壱岐焼酎を呑みながら……なんてどうでしょう?
こちらは勝本港。たくさんのイカ釣り船が停泊中です。ここ勝本には、現在500隻ものイカ釣り船が在籍していて、かなり活気のある漁港です。
*余談ですが、先ほどのイカの写真の絵柄、どこかで見た方も多いのでは? 映画「悪人」で、妻夫木聡さんと深津絵里さんが、呼子(佐賀県)のお店で、このイカの目玉にじっと見つめられていましたっけ。ここ勝本の船も呼子に荷揚げしているとか。壱岐のイカは、結構高値で取引されているんですよ。
イカvs.ウニというタイトルですが、ちょっとその前に、壱岐牛のご紹介を。壱岐は、牛の肥育でも有名な島です。ここから全国に牛を出荷し、出荷先で松阪牛などのいろいろなブランド牛に育てられるのです。でも、ここではまだ壱岐牛。海岸線の道路を走っていると、のんびり草を食んでいました。
色艶もよくて、かわいい牛たち。別の見方をすれば、潮風に吹かれた草を食んでいるから美味しい牛ですよ。きっと!