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師匠の生誕100年に船出するDeNA「瀬古利彦」|「週刊新潮」5月2・9日号
〈“この泥を食ったら世界一になれる”としたら、君らはどうする?〉

 DeNAが始動した。

 ……と言っても野球ではなく陸上の話。廃部した名門・エスビー食品陸上部を居抜きで引き受けたDeNAが、瀬古利彦総監督のもと、旗印を代えて初めてのトラックシーズンを迎えたのだ。

「エースは2009年世界選手権5000メートル代表の上野裕一郎(27)とロンドン五輪1万メートル5位のビダン・カロキ(22)=ケニア=です」

 と全国紙陸上担当記者。上野は佐久長聖高から中大を経てエスビーへ、カロキは広島県立世羅高校に留学後、エスビー入りした。

「駅伝中心だった上野は、今後マラソンを主戦場とし、“16年リオ五輪でメダルを目指す”と公言。同じく中距離ランナーからマラソンに進み、世界一流になった瀬古総監督は、“彼が本格的にマラソンに参戦したら大きな可能性が広がる”と期待を寄せています」

 4月21日の兵庫リレーカーニバル1万メートルに出場した上野は28分16秒で日本人1位。次は5月11日のゴールデンゲームズ(宮崎)で走る予定だ。カロキはゴールデンゲームズと4月28、29日の織田記念陸上(広島)にエントリー。共に今夏の世界陸上モスクワ大会を目指す。

 さて、瀬古総監督の本気度はいかほどか。

「4月3日の発足会見では“中村イズムで選手を鍛え、世界一のチームを作る”と。自らを育て上げた故・中村清先生(早大、エスビー監督)=85年没=の教えを復活させるというわけです」

 と、自身も中村門下生だった東京中日スポーツ編集委員の満薗文博氏が語る。

「今年は先生の生誕100周年。瀬古さんは、現場の指導に専念するため、3月末で東京都教育委員の職を辞したほか、テレビ解説の仕事もセーブするとのこと。16年までにニューイヤー駅伝で優勝することと五輪選手を育てることが当面の目標になります」

 冒頭は、中村氏が教え子に向けて放った台詞。彼は「ワシは食う」と言うや、グラウンドに這いつくばって実際に泥を食べたという。

 “瀬古DeNA”もその心意気を見せてほしいものだ。
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