ちょっと油断をしていたら、テラスの雪が七十センチも積もってしまった。夫婦でのんきに秋田まで行って、「温泉猿」をして戻って来たら、ウチが大変な雪の国になっていた。「やっぱり秋田は、すごい雪だねえ。」などと、露天風呂から顔だけ出して、降りてくる雪をうっとりと眺めていたのである。ああ。
それが、帰って来てからは、朝から夫婦で「雪掻きゴリラ」である。一時間も雪と格闘していると、汗びっしょりで、肩から腕の筋肉がもりもりの、ゴリラになったような気分である。
でも。家の中に入って、温かい紅茶などを飲みながら、薪ストーブでぽかぽかの部屋から外を見ていると、これまた、見事に美しい雪なのである。こんなおばさんがいちいち言うのはキモチ悪いので、言葉にしないように我慢しているつもりなのに、どうしてもついつい、口から出てしまう。
「ほら。見てみて、雪。きれいだねえ。」
そこら中、真っ白い雪の国である。