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煮込み料理と涙 「イサクの嫁取り物語とヤコブの祝福」|キリスト教美術をたのしむ 金沢百枝


ローマ派の画家とジョット 「エサウ」 サン・フランチェスコ聖堂上堂身廊上部壁画 アッシジ 1290-1300年
ローマ派の画家とジョット 「エサウ」 サン・フランチェスコ聖堂上堂身廊上部壁画 アッシジ 1290-1300年

 年老いたアブラハムの最後の願いは、息子イサクの結婚でした。ある日、年寄りの従僕エリエゼルに言いました。

「手をわたしの腿の間に入れ、天の神、地の神である主にかけて誓いなさい。あなたはわたしの息子の嫁をわたしが今住んでいるカナンの娘から取るのではなく、わたしの一族のいる故郷へ行って、嫁を息子イサクのために連れて来るように。」(「創世記」24章2~4節)

 嫁はカナンに連れてくるようにと厳命もしました。イサクには、神に祝福されたこの土地を受け継いでほしかったからです。アブラハムの故郷「アラム・ナハライム」はシリアの北東、アブラハムらが住むパレスチナのカナンとは800キロ以上離れています。年寄りの従僕はラクダ10頭と「高価な贈り物」を携え、旅立ちました。アラム・ナハライムに到着すると、ラクダを町外れの井戸のそばで休ませます。夕方、そこへ水汲みにくる娘たちを待つためです。エリエゼルは神に祈りました。

「この町に住む人の娘たちが水をくみに来たとき、その一人に、『どうか、水がめを傾けて、飲ませてください』と頼んでみます。その娘が、『どうぞ、お飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう』と答えれば、彼女こそ、あなたがあなたの僕イサクの嫁としてお決めになったものとさせてください。」(「創世記」第24章13~14節)

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