旅・街歩き

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■イスラエル、身体とこころで「感じる」旅
イスラエル、身体とこころで「感じる」旅
「旅」編集部に配属されて4年と4ヶ月ほど。もっとも印象深かった旅は、仕事ではブータンなのですが、プライベートな旅行ではイスラエルでした。

2010年7月号のヴェネツィア特集でお世話になった美術史家・金沢百枝さんに誘われて、同年8月の2週間、イスラエルのガリラヤ湖周辺と死海周辺の遺跡巡りをしました。
同行者は金沢さんのほか二人の女性美術史家。旅の半分はキブツに泊まり、二段ベッドが二組入った部屋を四人でシェアし、男女共同のシャワーを使って暮らしました。
そんな、学生時代の延長のような旅が、なんだかとても懐かしくて楽しくて、
しかもどの遺跡へ行っても、専門家のみなさんに解説していただけたのが幸運でした。
なにせ運転手を買って出てくださったのは、遺跡発掘隊の隊長にして日本オリエント学会の会長、月本先生。これ以上贅沢な遺跡巡り旅はありません。

すごく単純なことですが、8月のイスラエルでいちばん驚いたのは、暑さ。日中は40度にもなり、草花は立ち枯れていました。一神教の生まれる厳しい自然を体験しました。
エルサレムではパレスチナ人のタクシー運転手さんにお世話になったのですが、関門で彼に差別的な態度をとるユダヤ人の若者の姿を見たときは、心が痛みました。
ほとんど知識としては、わかっていたこと、知っていたこと。
でも旅に出て、現地で肉体的、精神的苦痛を味わうからこそ本当にわかったと言えることがあるのだなと、これまたあたりまえのことを学んだ旅でした。
いくつになっても、こんなふうに身体とこころで「感じる」旅を続けてゆきたいと思います。
(by こぐま)

●イスラエル
●行き方:イスラエル国内の主な公共交通機関はバス。主要都市間を結んでいます。
 写真はカイザリアの遺跡。テルアビブの北約40km。
●関連サイト:駐日イスラエル大使館

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