はるばる海を越えて、日本に届いたあたたかなメッセージ、うれしいですね。
報告をしてくださったのは、去年の5月号「ロンドンのアフタヌンティ」特集で
取材コーディネートをしてくださった、野澤美帆さんです。彼女は、料理学校ル・
コルドン・ブルーのお菓子クラスを卒業した、お菓子作りのプロでもあります。
なごやかな、チャリティー・ティーの模様をお届けします。
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去る9月30日、ロンドンのケンジントンにあるフランス大使官邸で、
チャリティーを目的としたアフタヌーン・ティーが開かれました。
この発起人は、ファビアン・エキュヴィヨン。
「旅」(2010年5月号)では、クイーン・オブ・プディングスという、ヴィクトリア女王に由来するお菓子の紹介で登場しました。
昨年イギリスのお菓子作りのデモンストレーションのために日本を訪れ、すっかり日本が気に入ったのだそう。
東日本大震災のすぐあとに、「何か日本の復興の役に立つことをしたい」と思い立ち、仲間のパティシエたちに呼びかけて、このイベントが開かれることになりました。
賛同して集まったのは、「レーンズボロー」「クラリッジス」「ランガム」といった5つ星ホテルや、「ウォルズリー」「アーツ・クラブ」「ラデュレ」などの名店で働くパティシエたちです。彼らが腕をふるい、甘辛取り混ぜたお菓子を用意してくれました。
会場となったフランス大使官邸は、豪奢なお屋敷です。通常、一般の人々は入れないプライベートな邸宅で、ウィリアム王子が住むケンジントン宮殿のすぐ裏という立地。時折、王室のヘリがすぐそばに着陸するのだとか。
その場所を会場に、一流パティシエが集うということで、チケットはめでたく完売!
200人近いゲストを招いての一大イベントとなりました。
フランス大使はお留守でしたが、大使夫人のマダム・エミエが出席してくださり、
参事官であるポワンブフ氏はスピーチをしてくださいました。
ポワンブフ氏のスピーチによると、フランスでも多くの人々が今回の震災に際して
日本への支援活動をしてくれているとのことです。
イギリスで、フランスで、日本のことを思ってくれている人たちがたくさんいる
ことを、とても嬉しく、ありがたく思いました。
そして、日本大使館からは、林大使と奥さまもご参加くださいました。
大変名誉なVIPの出席に、ファビアンも感激です。日本大使官邸は
フランス大使官邸のちょうど向かい側。ご近所さんなのだそうです。
当日はロンドンには珍しい、真夏の暑さの快晴。お庭も開放されました。
暑さも手伝って、皆さんは存分にシャンペンを楽しんでいたようです。