この時期の伊豆は早咲きの桜が咲いていて、もうすっかり春です。
伊豆稲取といえば、金目鯛でも知られた漁港の町。……ということもあって、見上げれば、この通り! “キンメ”は町のアイコンです。
町のあちこちで“キンメ”の飾りをみかけます。みんな手づくりです。
雛飾りの会場は、町の数ヶ所に点在しているので、会場をまわっていくと町めぐりもできるようになっています。港のある町独特の急坂や裏路地を探訪しながら、各家の飾りをみてまわるのもたのしいです。作り手によって飾りの形や表情が違うので、思わぬ発見も。
髪の毛ふさふさの赤ん坊人形を発見。ほんと、髪が多いなあ~。こちらのお子さん(お孫さん?)は、毛がふさふさの赤ちゃんなんでしょうか。
さて、メイン会場のひとつ「文化公園 雛の館」に到着です。ひな壇のまわりに、町のあちこちでみてきた“つるし飾り”とひな飾りが一堂に会した、伊豆稲取の「つるし雛飾り」。息をのむような華やかさです。
もちろん“キンメ”もたくさん登場します。キンメは、おめでたには欠かせない縁起物。赤い色は魔除けの意味もあるのだとか。
一針一針縫われた和裁の飾りは、おばあちゃんやお母さんが女の子の健やかな成長を願って手づくりしてきたもの。全国でもめずらしいといわれています。それぞれの飾りにはちゃんと意味があって、赤い目のウサギには呪力があるとか、草履は足が丈夫になるようにとか、よくみかける桃の実などにも、さまざまな邪気を祓う思いがこめられています。
こちらは(スタンダードな髪の毛の)這い這いする赤ん坊の人形“這い子”。這い這いができるようになれば、いつ立つのかしらと思い、立てるようになれば、いつ歩けるようになるのかしらと、子どもの健やかな成長を願わずにはいられない親ごころが現れているからでしょうか、誰からも「かわいい~」と声がかかるお人形です。もちろん、つるし飾りにもなっています。