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好機に与り「貴婦人と一角獣」の楽しみ方|「週刊新潮」4月25日号
 お宝がやってくる。

『』(東京・港区の国立新美術館にて4月24日~7月15日)である。

タピスリー(綴織)の最高傑作《貴婦人と一角獣》は、1500年頃に制作された6面からなる全長22メートルの連作。フランス国立クリュニー中世美術館の所蔵で、国外への貸与は1974年の米メトロポリタン美術館に続く2回目だ。

「日本に来るなんて、想像もしていませんでした」

 とは、南雄介・国立新美術館副館長兼学芸課長。

「クリュニー中世美術館が展示室を改装する好機に与りました。タピスリー芸術が頂点を極めた時代の代表作で、調和の取れた構成の美しさや醸し出す秘めやかな雰囲気から“クリュニー中世美術館のモナリザ”とも呼ばれる」

 6面のうち5面は五感を表す《触覚》、《味覚》、《嗅覚》、《聴覚》、《視覚》とのタイトルだが、最後は《我が唯一の望み》。背景に書かれた言葉に因んでいる。

「見所は、その最後の1面に秘められた謎でしょう」

 と、学術・翻訳監修者の木俣元一・名古屋大学大学院教授。

「貴婦人が宝石を箱に戻しているように見えることから五感を超えた精神的なものを表すという説と、宝石を取り出しているようにも見えることから結婚や愛に関係するという説がある」

 木俣氏は恋愛説を取る。

「《触覚》では貴婦人が一角獣の角に触れており、《視覚》では一角獣が貴婦人の膝に前脚を乗せている。これは、獰猛な一角獣が乙女の傍では大人しくなるという伝承に基づいていて、一角獣が恋をしていると解釈できる」

 さて、どう見るか?
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