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喫煙大国「ロシア」についにプーチン「禁煙令」|「週刊新潮」3月14日号
 ウォッカを片手に紫煙をくゆらす。ロシア人のDNAに刻まれた快楽を断とうとする大改革が行なわれようとしている。

 国民の3人に1人が煙草を吸うお国柄ゆえ、喫煙率はギリシャに次いで高い世界第2位。その結果、喫煙が関連した理由で年間40万人が死んでおり、メドヴェージェフ首相に言わせると、「煙草が原因で、毎年、大都市1つが消えている計算になる」

 また、喫煙に関する医療費は国内総生産(GDP)の6.3%にあたる約3兆6000億円と推定される。昨年から練られた、喫煙を制限する法案が今年、議会を通過。2月25日、プーチン大統領も署名した。

「今後は、自宅か路上の一角でしか喫煙できない国に生まれ変わろうというのです。罰金は3000円程度からと安いのですが」(国際問題研究家の瀧澤一郎氏)

 法律は2段階で施行される。まず、今年6月1日からは、病院や学校など公共の場での喫煙は禁止。そして、鉄道や地下鉄の駅、バスの停留所などから15メートル以内も禁煙に。その1年後には、レストランやカフェが全面禁煙となり、広告も禁止される。こんな大改革を成し遂げられたのは、

「大統領と首相が国家の優先プロジェクトとして取り組んできた、人口を増やす作戦の一環です」(特派員)

 ロシアは1990年代をピークに人口が減り続け、一時は、男性の平均寿命が58歳にまで落ち込んだ。ベビーブーム世代が出産適齢期に達したため、回復しつつあるとはいえ、それでも男性は63歳と低すぎる。

「背景にあるのは、飲酒、喫煙です。まず緊急性の高い飲酒から規制に乗り出し、昨年にはウォッカの価格を30%引き上げ、夜間の販売も禁止に。しかし90年には煙草不足により全土で暴動が発生した愛煙国です。過度な規制は違法取引を増やしたり、政権への不満に直結するリスクもある」(同)

 皇帝の政治生命と引き換えに、国民の寿命は延びることになるかもしれないが。
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