中華料理から連想する食材が豆腐、青菜、豚肉なら、イタリア料理はトマト、ズッキーニ、チキン――。
しかし今、世界のトマト生産量でイタリアは6位に甘んじており、大差をつけて1位を飾るのは、なんと中国! が、イタリアで行われているある裁判の中で、ブランドイメージではイタリア製の圧勝であることが、図らずも証明されている。
「使った濃縮トマトは確かに中国から輸入しました。でも、塩と水を加えて加工したのはイタリア国内。だからイタリア製です」
そう胸をはるのは、被告アントニーノ・ルッソ(83)の弁護人だ。南イタリアでトマト加工製造業を営む彼の異名は「トマト王」。その彼を訴える検察官は、
「メイド・イン・イタリーのイメージを壊すことは許されない。メイド・イン・チャイナと表示しないのは詐欺にあたる」
一審では検察の主張が認められ、ルッソには禁錮4カ月の判決が下された。現在は、控訴審が続く。
「イタリアでは2000年代から、中国産のトマトの輸入量が急増し、前年比で163%になった年もあります。味や栄養価は格段に落ちるのですが、安さにはかなわない。EUの規則では、加工する場所を明記するため、“ひと手間”かければ、中国産を隠せるのです」(イタリア在住ジャーナリスト)
しかし、一審は、塩と水を足しただけでは“加工”にあたらないと判断した。
「今年初めから欧州各地で牛肉製品などに馬肉が混入していた事実が発覚。しかも有名企業の商品でも行なわれていたため、食の安全に対して改めて不安が募っているのです」(同)
今や中国のトマト産業は、年間4000万トンを生産する。彼らに栽培や加工技術を教えたのは、他ならぬイタリア人だったという……。
しかし今、世界のトマト生産量でイタリアは6位に甘んじており、大差をつけて1位を飾るのは、なんと中国! が、イタリアで行われているある裁判の中で、ブランドイメージではイタリア製の圧勝であることが、図らずも証明されている。
「使った濃縮トマトは確かに中国から輸入しました。でも、塩と水を加えて加工したのはイタリア国内。だからイタリア製です」
そう胸をはるのは、被告アントニーノ・ルッソ(83)の弁護人だ。南イタリアでトマト加工製造業を営む彼の異名は「トマト王」。その彼を訴える検察官は、
「メイド・イン・イタリーのイメージを壊すことは許されない。メイド・イン・チャイナと表示しないのは詐欺にあたる」
一審では検察の主張が認められ、ルッソには禁錮4カ月の判決が下された。現在は、控訴審が続く。
「イタリアでは2000年代から、中国産のトマトの輸入量が急増し、前年比で163%になった年もあります。味や栄養価は格段に落ちるのですが、安さにはかなわない。EUの規則では、加工する場所を明記するため、“ひと手間”かければ、中国産を隠せるのです」(イタリア在住ジャーナリスト)
しかし、一審は、塩と水を足しただけでは“加工”にあたらないと判断した。
「今年初めから欧州各地で牛肉製品などに馬肉が混入していた事実が発覚。しかも有名企業の商品でも行なわれていたため、食の安全に対して改めて不安が募っているのです」(同)
今や中国のトマト産業は、年間4000万トンを生産する。彼らに栽培や加工技術を教えたのは、他ならぬイタリア人だったという……。