九月二十七日(木)
岐阜の柳ヶ瀬。「昔からある小料理屋か居酒屋で、若い人がいなさそうなところに連れてってください」と運転手さんに伝えて、降ろされた店にて、国産松茸が半月遅れで採れ始めたというTVニュースを聞く。「うむむ、であるならば能登のキノコも半月遅れか……」。岐阜産枝豆、落ち鮎の塩焼き、中国産松茸の土瓶蒸しで、多治見の酒「三千盛」の燗をやる。明日は展覧会の初日。
九月二十八日(金)
「英蔵(はなくら)」さんでの個展。終日在廊。夜は、ギャラリーの加納さん、岐阜で「クロテツ」という名前の家具づくりをする島田さんと三人で食事。懐石料理「三雀菴」。
九月二十九日(土)
岐阜で国体が始まったらしい。お昼ころ名古屋に出て我慢できずに「ひつまぶし」を食べる。新幹線で博多、さらに筑肥線で唐津。駅からそのままタクシーで見借(みるかし)へ。隆太窯にて「きよ田」の新津さんが握る寿司の会。どこの世界にも天才というのはおられるのだ。新津さんの指の断面が四角くピタリとくっついている。握った寿司ネタの滋味がシャリの中に封印されて、砂糖を使わずとも甘く、あまりに薫り高い。隆先生、太亀君、ガラスの横山さんに会う。
九月三十日(日)
福岡に戻り、藤崎の「大助うどん」にて「ごぼ天うどん」。ここは二十年近く通っている。午後の便で福岡から小松へ。帰りがけ金沢駅近く「麺屋達」の「チャーシューメン、ノリ、卵プラス」。本日は麺の日。