


毎年春がやって来ると、待ってましたとばかりに、村中のおばあさん達が家から繰り出して来て、畑をはじめる。それを見て、ウチのダンナも家から、のしのしと出て来たかと思うと、畝を耕し、草を取り、種を蒔き始める。
まず。雪の下で、大きくなりきれなかった、レタスが四種、きれいに植え替えられる。その後三ヶ月はこのレタスの葉っぱを食べ続けることが出来るのだから、たまげたものだ。レタスだけでなくすべての葉っぱに言えることなのだが、大きくなった一番外側の葉っぱから、せっせと採って食べていくのだ。そうすると、次から次へと内側の葉っぱが大きくなり、終いには、薹が立って花が咲き始めるのだけれど、その菜の花のような蕾の付いたところまでポキンと折って、おひたしにして食べちゃう。すべての物を余すこと無くいただく感じである。
